プロテイン肝障害!日本人にプロテインは本当に必要か?「過剰摂取」が招く肝臓腎臓の静かなる悲鳴
- 院長
- 11月19日
- 読了時間: 7分
イントロダクション:プロテイン神話の崩壊—日本人にとっての真実
近年の筋トレブームとメディアの影響により、「プロテイン=必須サプリメント」という認識が広まっています。しかし、本当にプロテインサプリメントは日本人全員に必要なのでしょうか?
本記事は、「プロテインサプリメントは、特別な活動をしない限り、多くの日本人にとって過剰であり、不要である」という立場から、その過剰摂取が引き起こす可能性のある肝臓・腎臓への潜在的リスクに焦点を当て、警鐘を鳴らします。
多くの日本人にとって、プロテインは単なる「補助食品」ではなく、**「過剰なタンパク質負荷」**となり得ます。そのメカニズムと、日本人が本来持つ食生活の優位性を徹底解説し、プロテイン神話に一石を投じます。

1. 日本人の食生活とタンパク質の過剰摂取リスク
プロテインサプリメントの議論において、日本人の食生活を無視することはできません。
1-1. 優秀すぎる日本の食事:既に充足しているタンパク質
多くの先進国が肉食中心に移行する中でも、日本は魚介類、大豆製品(豆腐、納豆)、卵といった質の高いタンパク質源を日常的に摂取する食文化が根付いています。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」を見ても、日本人のタンパク質摂取量は推奨量を十分に満たしていることが示されています。
年齢・性別 | 推奨量(g/日) | 実際の摂取量(g/日)※ |
成人男性(30~49歳) | 65 | 約87.9 |
成人女性(30~49歳) | 50 | 約70.1 |
※出典:国民健康・栄養調査(平均値)
既に多くの日本人は、通常の食事だけで推奨量を大きく上回るタンパク質を摂取しているのです。
1-2. サプリメントは「過剰摂取」のブースター
この充足した食事に加え、手軽だからという理由でプロテインサプリメントを摂取することは、意図せぬタンパク質の過剰摂取を招きます。
「筋トレをするから」という理由で、推奨量の2倍~3倍にもあたる量(体重1kgあたり2.5g超)を摂取した場合、体は処理しきれない余分なタンパク質を代謝するために、肝臓と腎臓に**「超過労働」**を強いることになります。
2. 過剰なプロテインが引き起こす「肝臓・腎臓の静かなる負担」
プロテインを過剰に摂取すると、体内でどのような処理が行われ、なぜ肝臓と腎臓に負担がかかるのか。そのメカニズムを詳しく解説します。
2-1. 肝臓:猛毒アンモニアの処理工場がオーバーヒートする
摂取されたタンパク質が分解される過程で、必ず人体に有害なアンモニアが発生します。
過剰な摂取: プロテインを過剰に摂取 大量のアンモニア発生。
肝臓の奮闘: 肝臓はアンモニアを無害な尿素に変換する作業(尿素回路)を強いられます。
潜在的リスク: 健康な肝臓でも、一時的な負荷の増大は避けられません。特に、自覚のない軽度な肝機能低下がある場合、アンモニア処理能力が追い付かず、肝臓が疲弊するリスク、または最悪の場合、アンモニアが脳に達する肝性脳症の危険性が高まります。
2-2. 腎臓:老廃物「尿素」を排泄しきれなくなるリスク
肝臓で変換された最終老廃物である尿素は、腎臓でろ過され、尿として排出されます。
老廃物増大: 過剰なプロテイン摂取 $\rightarrow$ 大量の尿素が生成 $\rightarrow$ 腎臓へのろ過負荷が劇的に増加。
腎臓の寿命: 腎臓の「ろ過機能(GFR:糸球体ろ過量)」は、一度低下すると回復が難しい特性があります。高負荷の状態が長期間続くと、腎臓の機能的寿命を早める可能性が指摘されています。
【専門家の見解】
腎臓病専門医の間では、「タンパク質制限は腎臓病治療の基本」という認識が確立されています。健康な人への影響は否定的意見が多いものの、**「健康な人でも長期間にわたる高タンパク食が腎臓の過剰ろ過状態(Hyperfiltration)を引き起こし、潜在的なリスクを高める」**という警告も無視できません。日本人は高血圧や糖尿病といった腎臓病のリスクファクターを持つ人が多いため、特に警戒が必要です。
3. 「プロテイン=飲むべき」という神話に潜む誤解
なぜ、必要ないにもかかわらずプロテインがここまで広まったのでしょうか。そこにはいくつかの誤解が潜んでいます。
3-1. 誤解①:「良質なタンパク質=ホエイプロテイン」ではない
プロテインサプリメントの多くは牛乳由来のホエイプロテイン(WPC/WPI)です。これは消化吸収が速いというメリットがありますが、納豆や豆腐に含まれる大豆タンパク(ソイプロテイン)や、肉、魚、卵に含まれるタンパク質も、アミノ酸スコア100の良質なタンパク源です。
日本人はこれらの良質なタンパク質を食事からバランス良く摂れているため、サプリメントである必要性は低いのです。
3-2. 誤解②:「プロテインを飲まないと筋肉はつかない」は間違い
筋肉をつくる上で最も重要なのは、**適切なカロリー摂取(エネルギー)**と、筋力トレーニングの負荷です。タンパク質はあくまで材料です。
体が一度に吸収できるタンパク質の量には限界があります。必要量を超えた分は、エネルギーとして消費されるか、脂肪として蓄積されるか、老廃物として排出されるだけです。高価なサプリメントが無駄になり、体内に老廃物を残すだけになってしまうのは本末転倒です。
3-3. 過剰摂取はダイエットにも逆効果
4. プロテインサプリメント不要論:安全なタンパク質の摂り方
日本人にとってプロテインサプリメントは必須ではありません。安全に、そして健康的に体をつくるための具体的な行動指針を提言します。
4-1. まずは「食事」からの摂取量を正確に把握する
プロテイン購入を検討する前に、アプリや食事記録を通じて、自分が普段どれくらいのタンパク質を食事から摂っているかを正確に把握しましょう。多くの場合、サプリメントの追加は不要だと気づくはずです。
理想の摂取源: 魚介類、大豆製品(納豆・豆腐)、卵、鶏むね肉など、低脂質の食材から意識して摂る。
4-2. 水分補給こそが肝臓・腎臓を守る鍵
プロテインを「飲む・飲まない」にかかわらず、タンパク質代謝による尿素の排出をスムーズにするため、水分補給は極めて重要です。特に、プロテインを摂取する場合は、腎臓への負担を最小限に抑えるために、普段より意識的に多量の水を飲むように徹底しましょう。
4-3. 既往症がある場合は「飲むプロテイン」より「減らすプロテイン」
もし、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、あるいは肝臓や腎臓に何らかの不安がある場合は、サプリメントの追加は絶対に避けてください。
これらの病態では、医師からタンパク質の摂取制限が指導されることも多々あります。ご自身の健康を守るためにも、まずはかかりつけ医にご相談ください。
まとめ:日本人の健康維持に必要なのは「バランス」と「水」
プロテインサプリメントは、極度の運動を行うアスリートや、特定の疾患で食事制限が必要な場合に限って有用性が認められるものです。
多くの日本人にとっては、栄養バランスの取れた和食中心の食事と、十分な水分補給こそが、肝臓・腎臓に負担をかけずに健康を維持し、運動効果を高めるための最良かつ最も安全な方法です。
過剰な「プロテイン神話」に惑わされることなく、ご自身の身体の声に耳を傾け、賢く栄養を選択しましょう。
日本人にプロテインを追加で接種する必要性は全くありません。
筋トレをするにしても全く不要です。
肝障害腎障害を引き起こすだけでメリットは有りません。
プロテインを売ったら儲かる人の言うことを信じないでください。
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