top of page

サンド伊達さんの脳梗塞 :肥満は危険 【学会社団評議員が解説】

  • 院長
  • 2 時間前
  • 読了時間: 6分

お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさんが、脳梗塞の治療のため当面の間休養されることが発表されました。

幸い異変にすぐ気づき受診されたことで大事には至らず、現在は回復に向けて入院治療を受けられているとのことです。お茶の間に多くの笑顔を届けてくれる存在だからこそ、驚くと同時に健康の大切さを痛感した方も多いのではないでしょうか。


テレビ界では、ふくよかな体型が「親しみやすさ」や「愛されキャラ」として魅力的とされる場面が多くあります。しかし、医学的な観点に立つと、肥満が身体に及ぼす影響を軽視することはできません。


本記事では、サンド伊達さんのニュースをきっかけに、なぜ肥満がさまざまな病気につながるのか、そして脳梗塞を招く具体的な要因や最新の治療法について整理して解説します。


脳梗塞で休養されたサンド伊達さん
脳梗塞で休養されたサンド伊達さん


サンド伊達さんの休養と「ふくよか芸能人」の健康リスク


愛されキャラと身体の健康は別問題


バラエティ番組などで見かけるぽっちゃり体型のタレントさんや芸人さんは、美味しそうに食べる姿や大らかな雰囲気から、視聴者に安心感を与えてくれます。エンターテインメントの世界において、豊かな体型は大きな強みやキャラクターとして親しまれています。


しかし、「キャラクターとしての魅力」と「身体の健康状態」はまったくの別問題です。画面越しには健康そうに見えても、肥満体型である以上、体内では着実に不調の種が蓄積されている可能性があります。


自覚症状がないまま進む「肥満」の恐怖


肥満の恐ろしさは、多くの場合「初期には自覚症状がほとんどない」点にあります。

「毎日元気で働けているから大丈夫」「健診で引っかかったけれど痛みや違和感はないから」と放置している間にも、体内では血管や内臓への負荷が少しずつ積み重なり、重篤な疾患へとつながる下地が作られているのです。


なぜ肥満は「万病のもと」と呼ばれるのか?


肥満、特に「内臓脂肪型肥満」は、単に体重が増えるだけでなく、全身の代謝バランスを崩す起点となります。これが「万病のもと」と呼ばれる理由です。


内臓脂肪が招く3大生活習慣病(高血圧・脂質異常・糖尿病)


脂肪組織は過剰に溜まると、血圧を上げたり血糖値の代謝を邪魔したりする物質を分泌し始めます。その結果、以下の3つの生活習慣病を次々と連鎖させます。

  • 高血圧: 増えた体重に血液を送るため心臓が強く脈打ち、血管に負荷がかかります。

  • 脂質異常症: 血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が増え、血管に汚れが溜まりやすくなります。

  • 糖尿病: 血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなり、高血糖が続いて血管の内側を傷つけます。



重なり合うことで「動脈硬化」が爆発的に進行する

これら3つの病気が肥満をベースに重なり合うと、血管が硬く細くなる「動脈硬化」が爆発的なスピードで進行します。肥満があらゆる病気の起点(万病のもと)となり、最終的に命に関わる大きな病気へとつながっていくのです。


脳梗塞の主な「リスクファクター(危険因子)」


動脈硬化が進んだ結果、脳の血管が詰まって起こるのが「脳梗塞」です。脳梗塞を直接引き起こす具体的なリスクファクター(危険因子)には、以下のようなものがあります。


1. 血管を直接傷つける「高血圧」と「メタボ」

脳梗塞における最大のリスクファクターは高血圧です。高い圧力がかかり続けた血管は傷つき、修復の過程で血管が細くなったり血栓ができやすくなったりします。内臓脂肪肥満に高血圧や高血糖が組み合わさったメタボリックシンドロームは、まさに脳梗塞の強力な引き金です。


2. 血栓を作りやすくする「喫煙・飲酒・運動不足」

  • 喫煙: タバコに含まれる成分が血管を収縮させ、血液を固まりやすくします。

  • 大量の飲酒: 血圧の上昇を招くだけでなく、脱水症状を引き起こして血液をドロドロにします。

  • 運動不足・ストレス: 血管の柔軟性を奪い、高血圧や代謝異常を悪化させます。


3. 心臓から血栓が飛ぶ「心房細動(不整脈)」

脳以外の要因として、「心房細動」という不整脈も重大なリスクファクターです。心臓内でできた大きな血栓が血流に乗って脳に飛び、太い血管を突然塞ぐ「心原性脳栓塞症」を引き起こします。


脳梗塞の治療法:発症後のスピードが運命を分ける


もし脳梗塞を発症してしまった場合、迅速な医療介入が生死や後遺症の程度を大きく左右します。


超急性期(すぐ):t-PA血栓溶解療法とカテーテル治療


脳細胞は酸素と栄養が途絶えると刻一刻と死滅していくため、1分でも早い治療が求められます。

  • t-PA血栓溶解療法: 発症から4.5時間以内に行える治療で、薬を点滴投与して詰まった血栓を強力に溶かします。

  • カテーテル治療(血管内治療): 足の付け根などからカテーテルを通し、脳の血管に詰まった血栓を直接回収する治療です。


急性期(再発防止):血液をサラサラにする薬物療法


直後の危機を脱した後は、さらなる血栓の形成や再発を防ぐため、血液をサラサラにする抗血小板薬や抗凝固薬を用いた薬物療法が行われます。


回復期(機能回復):早期からのリハビリテーション


症状が落ち着いた段階から、早期にリハビリテーションを開始します。運動麻痺や言語障害などの後遺症を少しでも軽減し、日常生活への復帰を目指します。


まとめ:異変を感じたらすぐ受診!健診で予防をはじめよう


サンド伊達さんが大事に至らず治療に向かわれているのは、体調不良を感じた際、我慢せずにすぐ病院を受診された早期発見・早期治療の賜物と言えます。


「太っているけれど元気だから」と過信せず、定期的に健康診断を受け、高血圧や肥満などのリスクファクターをひとつずつ改善していくことが、自分自身と大切な家族を守る最大の予防策となります。

健康に不安がある方は、ぜひこの機会に生活習慣の見直しや医療機関へのご相談を検討してみてください。




内視鏡検査をお急ぎの方はご来院或いはお電話でお問い合わせをお願いします。

可能な限り早急に対応します。


院長プロフィール

  • 角谷 宏

  • 東京慈恵会医科大学内視鏡部 診療部長

  • 日本消化器病学会 評議員・指導医

  • 日本消化器内視鏡学会 社団評議員・指導医

  • 「かくたに内視鏡消化器内科クリニック」院長。


東京都練馬区で内視鏡・肝胆膵の評議員による専門診療なら


【広域からご来院いただく皆様へ】

当院は練馬石神井公園駅前(徒歩30秒)という立地もあり、地元の練馬区内はもちろん、杉並区、豊島区、中野区、世田谷区、板橋区など23区全域からお越しいただいております。

また、西武池袋線や副都心線の利便性から、西東京市や東村山市、所沢市、和光市、朝霞市といった埼玉県内からも、さらに大阪、九州や北海道などからも専門的な検査を求めてご来院いただいております。

「遠方からでも、このクリニックに来て良かった」と思っていただけるよう、内視鏡学会社団評議員(開業医では全国に10人程度)、消化器病学会評議員が丁寧な説明を常に心がけております。





コメント


bottom of page