院長

2018年9月2日2 分

便潜血反応について

最終更新: 2021年4月24日

​健診の季節になりますと便潜血反応陽性とのことでご来院される方が増えます。

読んで字の如く便に血が混じっていましたよ、ということです。

目に見えない少量の血液に反応します。

さて、内視鏡を専門にする医者としてはこの検査を手放しでお勧めするわけにはいきません。

この検査で異常なしとなればほとんどの方が大腸の検査をしようとは思わないでしょう。

そうすると病変が有るのに陰性になった場合、その病変は放置されるということになります。

便潜血反応で陽性にならない病変はいくらでもあります。

大腸内視鏡検査で発見できる小さな腫瘍は基本便潜血では発見できません。

しかし、それらの病変も、特に平坦型、陥凹型などは比較的早く進行していきます。

これは怖いことです。

では、どうすればいいのでしょうか。

ある年齢になったらまず、大腸内視鏡検査を受けてください。

上部消化管内視鏡検査と同様今後一生のスケジュールが一度の検査で分かります。

病変がなかった場合は数年間は検査の必要が有りません。

その間は便潜血でチェックしていただく。

これは大腸内視鏡検査は見逃しとの戦いだからです。

一度検査をして病変がない場合でも万が一の見逃しのために便潜血を行う。

僕のクリニックには30台前半の方が多数大腸内視鏡検査を受けに来られます。

病変も数多く見つかります。

低年齢化しているのは明らかです。

便潜血反応でチェックする前に一度大腸内視鏡検査をお受け下さい。

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